国民党議員が議事妨害 陳菊氏の監察院長指名撤回を要求/台湾

【政治】 2020/07/14 17:56 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
14日早朝、警官に守られて立法院に入る陳菊氏。国民党議員の妨害によって登壇できず、昼前に立法院を後にした

14日早朝、警官に守られて立法院に入る陳菊氏。国民党議員の妨害によって登壇できず、昼前に立法院を後にした

(台北中央社)公務員や行政機関の不正行為を監督する監察院の人事を巡り、立法院(国会)で14日午前、陳菊(ちんきく)前総統府秘書長が同院院長に指名されたことに反対する野党・国民党の立法院党団(議員団)が議長席周辺を占拠し、答弁を予定していた陳氏の登壇を妨害した。立法院の外でも国民党の呼び掛けに応じて集まった市民が指名の撤回を求めて抗議活動を行い、一時、警察と激しく衝突した。

監察院は五権の一つである監察権を持つ機関で、公務員や国家機関の不正に対する弾劾権、糾挙権などを有する。29人の監察委員は総統によって指名される。今月31日に現任委員の任期が満了になるのに伴い、総統府は先月下旬、次期委員の候補者名簿を発表した。だがこの名簿に対し、野党の国民党や民衆党が反発している。

国民党は名簿について、候補者の9割が民進党陣営の人物だと指摘。院長に指名された陳氏に関しては、同氏の市長在任期間に高雄市で行われた不正に関する弾劾案を監察院が複数抱えていることなどを理由に、今回の人事案は不適切だとして指名撤回を求めている。民進党は国民党の反発に対し、弾劾案はいずれも陳氏個人に対するものではないと反論している。

陳氏は国民党による議事妨害を受け、午前11時半ごろ、立法院を後にした。陳氏はその後、立法院に提出した書面報告書の全文をフェイスブックに投稿。口頭での説明ができなかったことは「非常に遺憾」だとした上で、「私の理念、潔白には100%の自信がある」と訴えた。

民進党立法院党団は17日に予定されている人事同意権の行使について、投票を予定通り実施する方針を表明した。民衆党立法院党団は、人事案を審査しないまま同意権を行使して投票を行うのは手続き的不正義であるだけでなく、審査の八百長だとし、正当性に疑問を呈した。

立法院外で発生した衝突では、国民党議員のうち1人が割れたガラスで手首を負傷した。同党団によれば、この議員は靭帯を負傷し、病院で手術を受けているという。

(郭建伸、温貴香、王揚宇、劉冠廷、王承中/編集:名切千絵)