台湾の人形劇は「独立派」中国でやり玉に 大陸委が反発「文革式魔女狩り」

【政治】 2020/03/25 18:03 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
霹靂布袋戯30年の記念イベントで展示される人形=2018年6月29日、台北市

霹靂布袋戯30年の記念イベントで展示される人形=2018年6月29日、台北市

(台北中央社)台湾生まれの人形劇「霹靂布袋戯」が中国で「台湾独立派」とされ、現地ネットユーザーのやり玉に挙がっている。これを受け、台湾で対中国政策を担当する大陸委員会は24日、「文化大革命式の魔女狩り」は中国共産党(中共)政権に対する台湾の人々の反感を募らせるだけだと書面で反発。特定の政治的アイデンティティーで両岸(台湾と中国)の文化芸術交流を妨害しないよう呼び掛けた。

霹靂布袋戯は、台湾の伝統人形劇「布袋戯」(ポテヒ)を現代風にアレンジしたもので、中国にもファンが多い。問題の発端となったのは、人形操作を担当する劇団員が先日、自身のフェイスブックに投稿した一文。「『いいね!』ボタンを押してくれる人の名前に『冠』がついていると、新型コロナウイルス(新冠病毒)を連想してしまう」とした上で、「やはり『武漢ウイルス』と呼ぼう」とつづられていた。

これに、中国のネットユーザーが猛反発。霹靂布袋戯そのものにも非難が集中し、作品を「台湾独立系」として摘発する動きにまで発展した。中国ではこれに呼応するように、個人が作るファンサイトが自発的なイベントの中止、延期を発表したり、ゲーム会社が同作とのコラボ停止の意向を表明したりするなど、余波が広がっている。

これに対し大陸委員会は、中共が台湾アーティストの言動を詮索するネットユーザーを放任し、むやみに立場の選択を迫っていると指摘。中共が統治する中国大陸では芸術が過度に政治化され、言論の自由が尊重されないことが明らかだとし、パフォーマーが安心して力を発揮できる環境ではないと批判色を強めた。

(頼言曦、呉家豪/編集:塚越西穂)