台湾の総統選 沼田前駐台代表、蔡氏と韓氏の差「5ポイント以内」と予測

【政治】 2019/12/23 15:51 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
東京都内で講演し来年の台湾の総統選について見解を示す沼田幹夫氏

東京都内で講演し来年の台湾の総統選について見解を示す沼田幹夫氏

(東京中央社)日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の台北事務所代表(大使に相当)を今年10月に離任した沼田幹夫氏は22日、「総括・日台関係の現状と展望」と題した講演を東京都内で行い、来年1月11日に投開票される台湾の総統選について、再選を目指す民進党の蔡英文総統と野党・国民党の韓国瑜高雄市長の支持率の差は、最終的には世論調査の数字ほど大きくならない可能性を指摘した。

講演会は日本李登輝友の会が主催した。沼田氏は2014年7月から5年3カ月にわたり駐台代表を務めた。

沼田氏は、昨年11月の統一地方選で国民党が大勝した結果を受け、次期総統選と立法委員(国会議員)選で民進党が勝利する可能性は低いとする分析を東京の本部に出していたことに言及。その上で、中国の習近平氏が武力行使による台湾統一を辞さない考えや台湾との「一国二制度」の方針を示した今年1月2日の演説や、6月に起きた香港の大規模デモによって、蔡総統の支持率が大幅に上昇したことに触れ、「これもあれも習近平さんが贈ってくれたプレゼントだと思えば、蔡英文さんは女性としても非常に魅力があるんだなと思う」と冗談交じりに述べた。

蔡総統について「極めて有力で、堅実。何よりも清潔」だと評価。その一方で、「惜しむらくはカリスマ(性)がない」とし、宴会の役割で言えば「盛り上げ役」よりは「盛り下げ役」だと指摘し、選挙が佳境を迎えた今、蔡総統が選挙を盛り下げてしまえば、結果はどうなるかわからないとの見方を示した。対抗馬の韓氏については、政策も、蔡総統が有する行政官としての能力もほとんどないものの、「どんな人に対しても腰が低く、謙虚」だとし、人を引き付ける力は侮れないと一目置いた。

各世論調査の結果で蔡氏の支持率が現時点で韓氏を大きく上回っていることに触れつつ、両氏の個性を加味すれば、「(支持率の)大きな開きはもしかすると無いかもしれない。5ポイントかその範囲内なのかもしれない」と分析した。

さらに、立法委員選の行方も予測。民進党は「(議席を)確実に減らす」と断言し、「過半数の57(議席)を取れる保障はどこにもない。国民党が第1党になるかもしれない」との見通しを示した。

(楊明珠/編集:名切千絵)