台湾独立運動の先駆者、史明氏が100歳で死去 蔡総統「志を永遠に心に」

【政治】 2019/09/21 14:01 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
笑顔の史明氏(中央)と蔡英文氏(右)=2013年11月、台北

笑顔の史明氏(中央)と蔡英文氏(右)=2013年11月、台北

(台北 21日 中央社)台湾独立運動の先駆者として知られる史明氏が20日、台北市内の病院で死去した。100歳。蔡英文総統は21日未明、自身のフェイスブックに追悼のコメントを投稿。史氏は台湾の自由、民主主義、主権のために生涯奮闘したとつづって別れを惜しみ、「彼が果たせなかった志を永遠に心に刻む」と誓った。

史氏は日本統治時代の1918(大正7)年11月9日生まれ。本名は施朝暉。早稲田大学に留学中、社会主義に傾倒した。太平洋戦争開戦後に中国に渡り、上海や北京などで抗日運動に参加するも、共産党に幻滅して決別。戦後台湾に戻ると、今度は国民党による一党独裁に反発し、50年に「台湾独立革命武装隊」を結成。蒋介石暗殺を企てたが発覚して指名手配され、52年に日本に亡命した。東京で中華料理店を営むかたわら台湾独立運動を推進し、この時期に代表作「台湾人四百年史」(日本語)を完成させた。

史氏が台湾に戻ったのは李登輝政権下の93年。台湾独立を目指す複数の団体結成に関わり、理想実現のために奔走した。2016年の総統選では蔡総統を支持。蔡政権発足後は98歳の高齢で総統府資政(顧問)に就任した。愛称は「欧吉桑」(おじさん)。台湾独立運動のゴッドファーザーとも呼ばれる。

蔡総統によると、史氏は毎年、旧暦大みそかの夜に設ける年越しの宴席に参加していた。蔡総統は文中で、「総統としてさまざまなプレッシャーに耐えなければならない」という史氏の励ましの言葉に「いつも心が温まる思いだった」と振り返り、次の大みそかも史氏のために座席を空けておくと約束した。

(温貴香/編集:塚越西穂)