台湾の総統選 日台専門家が現状を報告 日本記者クラブでシンポジウム

【政治】 2019/08/23 14:00 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
シンポジウムに出席した(左から)中央通訊社の張瑞昌社長、ジャーナリストの野嶋剛・大東文化大特任教授、坂東賢治・毎日新聞論説室専門編集委員、小笠原欣幸・東京外国語大准教授

シンポジウムに出席した(左から)中央通訊社の張瑞昌社長、ジャーナリストの野嶋剛・大東文化大特任教授、坂東賢治・毎日新聞論説室専門編集委員、小笠原欣幸・東京外国語大准教授

(東京 23日 中央社)「変容する現代台湾」と題した国際シンポジウムが22日、東京の日本記者クラブで開かれ、日台の専門家が来年1月の総統選を前にした台湾の現状について基調報告をした。

パネリストは、中央通訊社の張瑞昌社長や小笠原欣幸・東京外国語大准教授、ジャーナリストの野嶋剛・大東文化大特任教授、坂東賢治・毎日新聞論説室専門編集委員。

張社長は次期総統選について、台湾史上最も厳しい選挙になると指摘。「台湾最後の民主的な投票になる」と悲観的な見方があることに触れ、「台湾派」であれ「中華民国派」であれ、双方の支持者は強い亡国感を募らせており、台湾社会の集団感情は選挙の激化に伴って高まっていると言及した。

小笠原准教授は、来年の総統選は過去6回の総統選に比べ、国際環境が特殊だと指摘する。具体的には米中対立の状況下で総統選が行われるのは初めてであることなどを挙げた。また、今年1月に中国の習近平氏が明言した「一国二制度」による台湾統一を蔡英文総統が拒否したことや香港で起こった「逃亡犯条例」改正案を巡る大規模抗議活動などを背景に、再選は難しいと考えられていた蔡総統の支持率が今年に入って上昇した現況を解説した。

質疑応答では、総統選を前に一部台湾メディアがインターネット上のデマを基にニュースを報じたり、特定の政治家を持ち上げたりしている現状について報道関係者から質問が飛んだ。張社長はこれに対し、北京当局が後ろ盾になっていると疑われる偽アカウントを交流サイトのフェイスブックやツイッターが大量に削除したことや、台湾で中国寄りのメディアに対する抗議活動が起こっていることなどを説明した。

(楊明珠/編集:名切千絵)