学生運動から派生の独立派政党、分裂危機 与党・民進党との距離巡り/台湾

【政治】 2019/08/15 11:54 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
離党を発表した洪慈庸立法委員

離党を発表した洪慈庸立法委員

(台北 15日 中央社)台湾独立派の新興政党「時代力量」が来年1月に実施される立法委員(国会議員)選挙を前に、分裂の危機に瀕している。現職立法委員の相次ぐ離党や党主席(党首)の辞任などで党内は揺れている。背景には、与党・民進党との距離の取り方を巡る立場の相違があり、これが表面化した形だ。

2014年、両岸(台湾と中国)サービス貿易取り決めの撤回などを求めて起きた「ひまわり学生運動」の一部勢力が中心となり、翌15年に結成された同党。16年の立法委員選では民進党(68議席)、国民党(35議席)に次ぐ5議席を獲得した。

民進党は来年の選挙で連携する方針を示しているが、時代力量内での意見は別れていた。民進党と手を組み、親中勢力への対抗を目指す林昶佐立法委員や洪慈庸立法委員を中心とする派閥と、党としての独自路線を貫くべきだと考える前主席の黄国昌立法委員の派閥があり、互いの主張がぶつかっていた。

議論は平行線のまま、林氏が1日に、洪氏が13日にそれぞれ離党を発表。両氏は無所属で来年の選挙に出馬する方針で、民進党は2人の選挙区では独自候補を立てないとしている。一方、黄氏は広範囲での独自候補の擁立を主張している。

党主席である邱顕智氏が党内の調整役を担ってきたが、林氏の離党に、別の現職立法委員の秘書の補助金不正受給というスキャンダルが重なり、12日に党主席を辞任する意向を表明した。これにより、党幹部の人事が大幅に入れ替わる可能性がある。

独立志向を持つ民進党と対中融和路線の国民党が競い合ってきた台湾政界で、第三極として期待された時代力量。党内で問題が相次いでいるのに加え、無党派層から人気がある柯文哲台北市長が6日、新党「台湾民衆党」の結党大会を行った。二大政党以外の新たな選択肢を市民に提示したいとして、来年の選挙に参戦する方針だ。

民衆党の発足について黄氏は、最も影響を受けるのは時代力量だと危機感をあらわにしている。内憂外患に陥る中、その行く末が注目される。

(王揚宇、劉冠廷、侯姿瑩、葉素萍/編集:楊千慧)