「一国二制度」発言巡り物議 親民党主席が総統府顧問の任命書返還/台湾

【政治】 2019/05/03 14:19 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
親民党の宋楚瑜主席

親民党の宋楚瑜主席

(台北 3日 中央社)野党・親民党の宋楚瑜主席(党首)が2日午後、台北市内で記者会見を開き、総統府資政(顧問)の任命書を同日付で返還すると発表した。中国の国営通信社、新華社が先日、宋氏が中国との「一国二制度」への賛同を示したと報じ、物議を醸していた。宋氏は会見で、報道内容を否定した。

新華社は先月29日付の電子版で、深センで実施した宋氏のインタビューを掲載。中国の習近平氏が年初に発表した談話で提示した台湾との一国二制度の方針について、「宋氏は『非常に賛同する』と述べた」と伝えた。宋氏は先月、訪問団として香港やマカオ、深センなどを訪れていた。

宋氏は会見で、今回の訪中では「(『一国二制度』という言葉を)一回も発したことはない」と強調。この件を巡って裏で暗躍した人を非難し、「両岸(台湾と中国)に全くメリットはない」と語気を強めた。

また宋氏は両岸関係に対する同党の立場として、「一つの中国、対等な別々の統治」を支持し、台湾独立に反対する姿勢を改めて示した。

総統府資政は無給の名誉職で、総統が任命する。宋氏は2016年11月に蔡英文総統から任命された。アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の総統特使も16年、17年と2年連続で務めた。

蔡総統は2日午前、宋氏が一国二制度に肯定的な態度を持っているのであれば、総統府資政を辞めてもらうと発言。会見から一夜明けた3日には、宋氏の決定を尊重すると述べ、APEC首脳会議への2度の参加に感謝を示した。

(劉冠廷、呉睿騏、温貴香、王承中/編集:名切千絵)