中国の対台湾優遇措置に危機感 大陸委「安全保障への巨大な挑戦」

【政治】 2018/09/07 14:57 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
中国の対台湾優遇措置に危機感  大陸委「安全保障への巨大な挑戦」

(台北 7日 中央社)台湾の対中国大陸政策を担当する大陸委員会は6日、中国大陸が打ち出した大規模な対台湾優遇措置に対抗する政策の実施成果について報告した。大陸委は、優遇政策は「台湾の国家安全保障への大きな挑戦」だと強調する一方、台湾の経済や教育、文化、医療など各方面への実質的な影響は「はっきりとは出ていない」と分析している。

中国大陸は今年2月末、台湾の企業や個人に対し、税制や教育、就業などに関する全31項目の優遇措置を発表。台湾は対抗策として、就学・就業の改善と人材つなぎ留め・誘致の強化、サプライチェーンにおける優位性の維持、資本市場の深化、文化・映像産業の強化―の4つを柱とする計39項目の措置を半年にわたって実施してきた。

報告によれば、今年1~7月の台湾企業の対中国大陸投資は前年同期比2.77%減。中国大陸で就業する台湾人の人数に関する最新の統計は出ていないものの、投資の動きを基にすれば、人数は減少する見込みだとした。

教育の分野に関しては、優遇措置の実施後、中国大陸の大学に移籍した台湾の公立大、トップ大の教員はおらず、私立学校の教員の移籍や大学院修了者の着任に関しても異常はないという。昨年海外に留学した台湾人学生のうち、中国大陸を渡航先に選んだ学生は全体の約6.5%にとどまり、優遇措置が留学生の人数に与える影響は少ないとしている。中国大陸での就業を理由に良医証を申請した台湾人医師は例年約200人のところ、今年1~8月は108人。減少傾向となった。

大陸委は、中国大陸が引き続き打ち出す「台湾取り込み」の関連措置に対抗するため、39項目の措置を着実に実施するほか、スタートアップ環境の向上や人材政策の強化、投資の障壁の排除、モバイル決済推進、金融市場の発展強化などの面から対応を強化していく方針を示した。

(繆宗翰/編集:名切千絵)