台湾の水利組合、公的機関に 水資源を一元管理 一部から反対の声も

【政治】 2018/01/17 16:45文字サイズ:字級縮小字級放大
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17日の立法院議場

17日の立法院議場

(台北 17日 中央社)立法院(国会)は17日、台湾各地で農業用のかんがい事業を行う民間団体「農田水利会」を公的機関に移行する改正法案を可決した。今後は行政院(内閣)農業担当省庁の下に置かれ、水資源が一元管理される。各地の農田水利会では賛否が割れており、立法院の周囲では一部の団体によって抗議活動が行われた。

台湾にはかんがい区域が17存在し、それぞれの区域を各地の農田水利会が管轄してきた。農業委員会の統計によれば、台湾全土で37万ヘクタールの農地がかんがい区域に組み込まれておらず、法改正によって残る農地も農田水利会の管理下に入れることで、食料を安定的に生産する農地を68万ヘクタールにまで増やす。

会長や会務委員は直接選挙で選出されてきたが、改正法が施行されれば、会長は政府の指名で就任し、会長や職員は公務員とみなされる。

元農業委員会主任委員の李金龍・中興大園芸学科講座教授によれば、法改正の争点は(1)水利会会員の仕事の権益確保(2)水利会が持つ資産の有効運用と国有化の疑念回避(3)農家の権益確保とかんがい区域の拡大。

反対派の林文瑞・雲林農田水利会長は、会の財産は会員全体が所有するものであり、公的機関になれば、庶民から財産を奪い取るようなものだと話す。さらに、改正法は財産権を保障する憲法に違反していると指摘し、憲法解釈の申し立ても辞さない構えを示した。

一方、賛成派の高雄、宜蘭、石門など9つの農田水利会は、公権力の付与による水資源管理や水質の安全保護、政府予算の投入によるかんがい排水設備の改善などを挙げ、改正法への支持を表明している。

蔡英文総統は17日、フェイスブックを更新。農田水利会の地位向上は水資源管理の効率向上、水利事業の専門職員の権益保障、農家に対するサービスの拡大にもつながるとし、政府として水資源管理において直面する問題に立ち向かっていく姿勢を示した。

(劉冠廷、陳俊華、温貴香、楊淑閔/編集:名切千絵)

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