台湾、7月の小売業が半年ぶりにプラス転換 経済振興策が寄与か

【経済】 2020/08/26 12:53 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
「振興券」で買い物する女性

「振興券」で買い物する女性

(台北中央社)経済部(経済省)統計処が24日に発表した7月の商業動態統計で、小売業の売上高は3351億台湾元(約1兆2100億円)となり、新型コロナウイルスの影響を受けて低迷していた成長率が前年同月比2.5%増と、6カ月ぶりにプラスに転じた。特に、総合商品小売業が同7.2%増と健闘した。同処の黄偉傑副処長は、コロナで打撃を受けた産業を支援するために政府が発行した振興券が効果を発揮したと分析している。

振興券は、1000元(約3600円)で3000元(約1万円)分を購入できる金券で、買い物や食事など広範囲に利用できる。総合商品小売業では、積極的な店舗展開や生鮮食品、飲料の販売などで売り上げを伸ばしたコンビニエンスストア(同21.3%増)や、買い物客が戻った百貨店(同10.3%増)のいずれも、振興券の利用を促すキャンペーンなどを行って消費者にアピールしていた。

黄氏は、コロナ禍で出入国制限が行われるまで、小売業の売上高には外国人観光客による消費が含まれていたと指摘。外国人観光客がいない今の時期でもプラス成長を達成できたのは、消費者の購買意欲が刺激された結果だとの見方を示している。

一方で、飲食業の売上高は同0.7%減の689億元(約2490億円)にとどまったものの、外食産業は同1%増の582億元(約2100億円)となり、5カ月続いたマイナス成長から脱却した。黄氏は、7月は旅行や会食のシーズンである上に、振興券の効果が加わったためと分析。だが、出入国制限の影響で機内食を含むケータリング産業が同33.3%減と振るわず、業界全体の数字を引き下げたと説明している。

8月の展望については、振興券の効果が続くと予想。飲食業は、父の日(8月8日)や旧暦7月7日(七夕情人節、チャイニーズ・バレンタイン、今年は8月25日)などが外食ニーズを後押しするほか、連日の猛暑に伴うドリンク需要や国内旅行熱なども手伝ってプラス転換する可能性があるとした。また、小売業は、あの世から霊魂が戻って来るとされる旧暦7月(今年は8月19日~9月16日)に伴い、消費需要が高まるとの見込みが示された。

(梁珮綺/編集:塚越西穂)