マンゴーの運搬に無人機活用 収穫期の農家を支援 台湾・屏東で実験

【経済】 2019/06/04 18:09 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
マンゴーを運搬中の小型無人機

マンゴーを運搬中の小型無人機

(屏東 4日 中央社)マンゴーの産地である南部・屏東県枋寮郷や春日郷で、収穫したマンゴーの運搬に小型無人機を活用する実証試験が行われている。無人機の導入によって、作業上の安全確保や人手不足の解消が期待されている。

実験を行うのは、公的研究機関、工業技術研究院(工研院)と枋寮地区農会(農協)。農協の鄭晏キン総幹事によると、今年の台湾ランタンフェスティバル(台湾灯会)でドローンによる光のショーを見たのがきっかけで、マンゴーの収穫に無人機を活用できないか思いついた。工研院で働く友人に相談したところ、今回の取り組みが始まったという。(キン=日へんに斤)

鄭さんによれば、枋寮地区でのアップルマンゴー(愛文)栽培は山腹の傾斜地で多く行われており、高齢の農家にとっては作業に危険を伴う。人手不足も深刻だ。収穫物の運搬に無人機を活用できれば、作業時のリスクが低減し、人手不足解消が図れるだけでなく、運搬時間の短縮やコスト削減にもつながると鄭さんは話す。

工研院が開発した8軸マルチコプターは、荷物を50キロまで積載可能。同院機械・機電システム研究所の陽毅平副所長によると、物流分野での小型無人機の活用は、現時点では国際的にも小型の荷物の輸送が主流で、民間で使われる無人機で40~50キロの積載量を持つものは少ないという。農業分野での輸送への活用に向けた無人機の開発は他所ではまだ行われておらず、世界に先駆けたものだと陽副所長は胸を張る。

枋寮駅前では2日、小型無人機を使ってマンゴーを運搬するデモンストレーションが行われた。かごに入った計40キロのマンゴーを搭載した無人機が空中を旋回する光景に、多くの人が視線を向けていた。

陽副所長によれば、同院は燃油と電気の両方を動力源とするハイブリッド式無人機の開発に取り組んでいる。飛行時間を1時間に延ばすと同時に、成熟した果実の検出や、肥料や水の散布などを可能にする。陽副所長は、マンゴーのほかにも、レンブやインドナツメなど収益性が高い果物の輸送にも活用できるとの見方を示した。

(郭シセン/編集:名切千絵)