日本企業の対台湾投資増加 進出する業種の多様化、内需の頭打ちが背景に

【経済】 2019/03/14 13:17 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
日本企業の対台湾投資増加 進出する業種の多様化、内需の頭打ちが背景に

(台北 14日 中央社)経済部(経済省)投資審議委員会の統計によると、2018年の日本からの対台湾投資額は約15億2519万米ドル(約1700億円)に達し、過去2番目に高い水準となった。背景には台湾に進出する業種の多様化や金融保険業界の大型投資に加え、日本国内需要の頭打ちなどがあると専門家は分析している。

18年の日本からの対台湾投資は前年の約6億4045万ドル(約714億円)から大幅に増加。投資件数は525件で、業種別では卸売・小売業が185件と最も多く、宿泊・飲食業が98件で続いた。金額ベースでは、金融・保険業が約8億9345万ドル(約997億円)と約59%を占めた。投資審議委員会の楊淑玲副執行秘書は、総合商社の伊藤忠商事が台北市の超高層ビル「台北101」を運営する台北金融大楼(TFCC)の株式約37.2%を6億6500万ドル(約742億円)で取得するなどの大型投資が投資額を押し上げた主な要因だとしている。

楊氏によれば、かつて日本からの投資は製造業が主だったが、近年は業種が多様化し、サービス業の投資件数が大幅に増えているという。

台湾経済研究院産経資料庫のアナリスト、林進南氏は、少子高齢化の進行によって日本の内需が頭打ちとなり、企業が海外展開せざるを得なくなっていることも日本のサービス業が相次いで台湾に進出している原因の一つだと指摘する。

台湾を重点市場とする背景には、長きにわたる貿易関係の基盤があり、日本企業が台湾の市場や消費者の好みを熟知していること▽台湾の消費者の食やレジャーに対する購買意欲の高さ▽発展性の高さと中国やその他のアジア市場進出への足掛かりとしての役割―の3点があると林氏は分析している。

中国進出のための足掛かりとしての役割について林氏は、多くの日本企業にとって対中国投資は容易ではないと指摘。だが巨大な市場である中国を簡単に諦めるわけにはいかないため、中国の環境と一定の類似性や連動性がある台湾で事業を展開すると同時に、経験を積んでサービスを調整し、新商品開発にも取り掛かることで、アジア市場拡大に向けた布石を打っているとの見方を示した。

(潘姿羽/編集:名切千絵)