誠品董事長「静かな書店にしたくない」 日本1号店の展望語る/台湾

【経済】 2018/12/21 19:14 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
誠品生活のマーシー・ウー会長

誠品生活のマーシー・ウー会長

(台北 21日 中央社)書籍や雑貨の販売を手掛ける誠品生活のマーシー・ウー(呉旻潔)董事長(会長)は来秋開業予定の日本1号店について、「一番恐れているのは静かな店になること」と中央社の単独取材に対して語り、頻繁にイベントが開催され来店客で賑わう台湾の店舗の雰囲気を日本でも作り出せるよう意欲を示した。

誠品生活は今年10月、三井不動産が東京都日本橋で再開発を進める複合ビル「日本橋室町三井タワー」内の商業施設「COREDO(コレド)室町テラス」に日本1号店を来秋オープンさせると発表。三井不動産の誘致により日本出店が実現した。運営は、ライセンス供与を受けた書店チェーンの有隣堂が担当する。誠品が中華圏以外の地域に進出するのは初めて。

誠品は、同じく書店と雑貨を融合させた「蔦屋書店」と同列に並べられ、比較されがちだ。だがウー氏は「全く似ていない」とし、根本的な違いは両社創業者の性格に由来すると話す。父親である誠品創業者、呉清友氏が生前、蔦屋書店を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の増田宗昭社長と交流を持っていたことに触れ、「一人はスピーディーで、もう一人はゆっくり、一方は屈託がなく、もう一方は控えめ」と形容。増田社長はバイタリティーあふれる実践家で、清友氏は人類が必要としているものを常に考え、心身を落ち着けることを創業理念にしていたと明かした。

ウー氏は、日本や香港に行くと、人々が文化や読書生活に大きな期待と理想を抱きながらも、現地の環境に満足していないことに気付くと指摘。「外来者としてこのような(消費者を満足させる)ことを行っていくのは、期待と要求、憧れに満ちている」と自身の責任の重さをかみしめた。

店舗の体裁を整えるだけで客が呼び込めるわけはないと気を引き締めるウー氏。消費者が真に注目するのは「中で絶えず起こっていること」だと話す。台湾の誠品書店は毎週のように頻繁に開催されるイベントを特色としているが、日本の書店ではあまり行われていない。ウー氏は、誠品は日本市場を変えたいのではなく、異なる選択肢を与えたいと目標を示す。台湾のクリエーティブ産業を海外に紹介する架け橋となり、台湾ブランドを輸出していければと期待を寄せた。

(江明晏/編集:名切千絵)