フェイスブック、中国のデマ拡散アカウント60個以上を排除/台湾

【両岸】 2020/03/17 11:53 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
フェイスブック、中国のデマ拡散アカウント60個以上を排除=Unsplashから

フェイスブック、中国のデマ拡散アカウント60個以上を排除=Unsplashから

(台北中央社)米交流サイトのフェイスブックが今月上旬、新型コロナウイルスに関する偽情報を台湾に向けて発信していた中国サイバー部隊のアカウントを60個以上排除していたことが中央社の取材で分かった。SNSプラットフォームの運用をよく知る消息筋によれば、同社が台湾のインターネット環境で流される虚偽情報を巡ってアカウントを大量に排除するのは、新型コロナウイルスの感染拡大以来初めてだという。

消息筋によれば、「網軍」と呼ばれる中国サイバー部隊が使用していたアカウントの大部分は台湾で使用される繁体字を氏名に用い、台湾人ユーザーを装っていた。だが、フェイスブックはアカウントの登録時間やIPアドレスなどの情報によって台湾人のアカウントか判別可能だという。これらの網軍のアカウントが中国政府と直接的に関係があるのかについては現時点では分かっていない。

業界関係者は、網軍のSNS上での世論操作の手法がますます巧妙化していると指摘する。以前はグループやページを作成してデマを流していたが、現在は網軍のアカウントを利用して様々なページにコメントを残す方法を用いており、顕在化しにくくなっているという。総統・立法委員(国会議員)選の時とは異なり、今回は新型コロナウイルスという公衆衛生の危機によって恐怖を煽ろうとしており、かなり悪質だとの見方を示した。ネットやSNSで情報を得る場合にはその真偽をより慎重に判断する必要があると警鐘を鳴らす。

通信や放送事業を監督する国家通訊伝播委員会(NCC)が12日にSNS運営業者を集めて開いた会議で、フェイスブックは今回のアカウント排除の経験を紹介した。同会議に参加した沈伯洋・台北大犯罪学研究所助理教授(助教)は中央社の取材に対し、フェイスブックが60数個の網軍アカウントを排除したと説明するのを聞いたと明かした。

中国の対台湾情報戦を専門に研究する沈氏は、これらのアカウントが削除されても新たに作るのは簡単であり、どのアカウントがデマをばらまいているのかを全ての人に伝えることができないという点が重要だと語る。沈氏は、フェイスブックやLINEなどの業者がプラットフォームを横断して連携し、官民が一体となって全てのプラットフォームで同時にデマの拡散を阻止するよう提言した。

(呉家豪/編集:名切千絵)