中国との平和協議、蔡総統「受け入れない」野党トップの発言で議論再燃/台湾

【両岸】 2019/02/21 11:53 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
蔡英文総統

蔡英文総統

(台北 21日 中央社)蔡英文総統は20日、総統府で談話を発表し、両岸(台湾と中国)間の平和協議(取り決め)について、国家主権を消滅させようとする、もしくは傷つけようとする協議を台湾の社会は受け入れないとの考えを示した。「われわれは民主主義国家であり、方向性ははっきりしている」とした上で、自由、民主主義、安全、繁栄を求めると述べ、「台湾の未来はわれわれ自身で決める」と訴えた。

両岸の平和協議をめぐっては、2大政党で立場が異なっており、これまで議論が繰り返されてきた。最近では野党・国民党の呉敦義党主席(党首)が今月14日に受けたインタビューで、同党が与党に返り咲いた際には中国との平和協議の調印を目指すとの方針を示し、与党・民進党の反発を招いた。

民進党の広報担当、林ソウ盛氏は呉氏の発言に対し、中国が提唱する「一つの中国、一国二制度」という前提の下で平和協議を結ぶことに台湾の人々が納得するはずがないとコメント。行政院(内閣)のKolas Yotaka(グラス・ユタカ)報道官は18日、今国会で審議を最優先とする法案について発表し、両岸間の協議に調印する前にその内容について国民投票で民意を問うことを法改正によって明文化する方針を示した。(ソウ=王へんに宗)

両岸間の平和協議調印に、国際法の専門家は懐疑的な見解を示している。台湾大の姜皇池教授は、国家間で結ばれるものは協定や条約などと呼ばれるのに対し、「協議」は国内法の文書となり、国際法は適用されないと説明。両岸が「平和協議」を交わした場合、台湾と中国の関係が国共内戦の延長線上にあるものと台湾の執政者が認めたことになるとし、台湾が中国の一部分であることを承認したことをも意味するとの見方を示した。そうなれば、米国の台湾への武器供与は「中国内政への干渉」となり、国際法違反とみなされるという。

台湾独立を目指す「台湾制憲基金会」の宋承恩副執行長は、平和協議より台湾の国際的地位の向上や国際社会への参加の方がより重要だと指摘。台湾の国際組織への有意義な参加が可能となるよう中国と合意に達することにこそ意味があるとの考えを示した。

(侯姿瑩、葉素萍、温貴香/編集:楊千慧)