是枝裕和監督「台湾が好き」=金馬奨参加で訪台

【芸能スポーツ】 2019/11/22 17:42 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
是枝裕和監督=台北金馬映画祭実行委員会提供

是枝裕和監督=台北金馬映画祭実行委員会提供

(台北中央社)台北市内で23日に開かれる映画賞「第56回ゴールデン・ホース・アワード」(金馬奨)授賞式でプレゼンターを務める映画監督の是枝裕和さんが22日、同市内で台湾メディアの合同取材会に出席した。日本統治時代の台湾で生まれたいわゆる“湾生”の父親を持つ是枝監督は「台湾が好き」と思いを語った。

今年の金馬奨は、中国当局の意向で中国の作品や映画人が参加を取り止めるという異例の事態となった。政治が映画に影響を与えることについての見方を質問されると、是枝監督は、世界には様々な対立があることに触れた上で、「映画人が映画を通して交流をすることが一番大事」だと言及。金馬奨に参加しに来たのは「台湾が好きだから。台湾にとても尊敬する監督たちもいるし、父親のこともあるし。そういう場所に来るのは自分にとっては必然的なこと」と語った。金馬奨からのオファーは「とても光栄。しばらく参加できてなかったので、『ぜひ』と思った」と喜びを示した。

これまでに複数回にわたり台湾を訪問している是枝監督。台湾のホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督や故エドワード・ヤン(楊徳昌)監督を取材したテレビドキュメンタリーを制作するなど、台湾の映画監督との交流もある。ホウ監督やヤン監督を取材した1993年当時、台北の街中にお粥を売る朝食屋台が多くあった思い出を振り返り、「今はだいぶ減ったのね」と街の変化に寂しそうな表情を浮かべた。取材の前日には足つぼマッサージに行ったほか、取材後にはショーロンポー(小籠包)を食べに行く予定だと明かし、台湾滞在を楽しんでいる様子をのぞかせた。

最新作「真実」で全編フランスでの撮影に挑戦した是枝監督は、海外での撮影について、今後も「あると思う」と前向きな姿勢を見せる。台湾を舞台にした作品を撮影する可能性を問われると、数秒考え込んだ末に「これ、難しいよね」とポツリ。父親が台湾で生まれたというルーツに触れた上で、「(台湾で)何かを撮ろうと思った時には、そこを抜きにはできない」と語り、「やるならその時代を踏まえないといけないという気はしている」と神妙な面持ちで述べた。

是枝監督は22日夜には、金馬奨関連の催しとして映画産業従事者や学生らを対象に開かれる講演会に出席し、演出について語る予定。

金馬奨授賞式には、審査員を務める俳優の永瀬正敏さんもプレゼンターとして出席する。

(名切千絵)