トム・リン監督、阿部寛と女優のラブシーン裏話明かす 「夕霧花園」/台湾

【芸能スポーツ】 2019/11/16 13:08 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
「夕霧花園」主演の阿部寛(右)とリー・シンジエ=HBO提供

「夕霧花園」主演の阿部寛(右)とリー・シンジエ=HBO提供

(台北中央社)開催中の2019台北金馬映画祭の閉幕作「夕霧花園」のトム・リン(林書宇)監督が13日、台北市内で合同取材に応じ、日本人庭師役の阿部寛と元捕虜の女性を演じるリー・シンジエ(李心潔)のラブシーンの裏話を明かした。リン監督は撮影開始前、同シーンを削除するか悩んでいたものの、シンジエの強い意向によって同シーンを残すことに決めたという。

第2次世界大戦後のマレーシアを舞台に、旧日本軍の捕虜だった女性と日本人庭師の男性の恋模様を描く同作。マレーシア出身の作家、Tan Twan Engの小説「The Garden of Evening Mists」を原作としている。

リン監督は、ラブシーンを削除するか迷ったのは、撮影地であるマレーシアの審査制度では同シーンが上映できないためだと説明。だが、同シーンはヒロインが愛憎が交錯する中で庭師との最後の一線を自ら越えることを表現するシーンであるため、シンジエは「ヒロインにとってこのシーンは重要」と主張し、削除に反対したという。同シーンは1テイクで撮影された。

リン監督は阿部を起用した理由について、阿部が人物に温度を与えるからだとし、「役柄がどんなに嫌われ者であっても、(阿部の演じる人物を)みんな好きになる」と称賛した。

阿部の熱心な一面についても紹介したリン監督。英語が得意ではない阿部は、自身の大量の英語のセリフだけでなく、シンジエのセリフまで暗記していたという。自身の役の重要な場面への理解を深めるため、準備に多くの時間を費やし、監督と何度も意見を交わしていたことも明かした。リン監督は阿部のために同シーンの撮影方法を調整したという。

同作は23日に授賞式が開かれる「第56回ゴールデン・ホース・アワード」(金馬奨)で、長編フィクション作品賞など9部門で候補になっている。

(洪健倫/編集:名切千絵)