台湾スリラー映画「返校」、監獄跡地での撮影でヒヤリ

【芸能スポーツ】 2019/09/18 16:55 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
プレミア上映会でろうそくを手に持つ「返校」の出演者や関係者=影一製作所提供

プレミア上映会でろうそくを手に持つ「返校」の出演者や関係者=影一製作所提供

(台北 18日 中央社)戒厳令下の台湾を題材にしたサスペンススリラー映画「返校」のプレミア上映会が17日、台北市内で行われた。上映会前の囲み取材でジョン・スー(徐漢強)監督は、撮影中にあったヒヤリとする出来事から着想を得て演出を加えたエピソードを明かした。

スー監督によると、戒厳令下に政治犯を収容していた監獄跡地「白色テロ景美記念園区」の牢屋で別れのシーンを撮影していた際、外でイヤホンを通じて現場の状況を確認していたリー・リエ(李烈)エグゼクティブプロデューサーと録音技師の耳に、「さようなら」と穏やかに小さくつぶやくという声が入ってきた。脚本には無かった台詞だったため、リー氏はすぐに現場に駆け付け、誰が発した言葉なのか確認したところ、スー監督からは「監督もキャストもみんな聞いていない」との返事が返ってきた。

この出来事からスー監督は「多くの政治犯が当時牢獄から連れて行かれる時、同じように穏やかな心境で牢屋の仲間と別れを告げていた」ということに気付いた。そこで、教師役のフー・モンボー(傅孟柏)が牢屋から処刑場に連行されるシーンに、穏やかな別れの言葉を加えたという。

だがこの“怪奇現象”は、実は勘違いだったことが後に判明。後日、キャストとスタッフで食事をしていた際、当時撮影現場にいた主演のツォン・ジンファ(曽敬[馬華])がその時になってやっと、あの「さようなら」はそばにいたエキストラが勝手につぶやいたものだったと告白した。

同作は同名の人気ゲームが原作。国民党独裁政権による白色テロが行われていた1962年を舞台に、人々の自由への渇望を描き出した。台湾全土の映画館101館で20日に封切られる。

(洪健倫/編集:名切千絵)