フェイ・ユーチン、来年での引退を発表 台湾の大御所歌手

【芸能スポーツ】 2018/09/28 14:46 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
フェイ・ユーチン

フェイ・ユーチン

(台北 28日 中央社)歌手のフェイ・ユーチン(費玉清)が27日、来年のコンサートツアー終了をもって芸能界を引退すると発表した。美しい歌声で人気を博したユーチン。突然の知らせに台湾では衝撃が広がった。

ユーチン(本名張彦亭)は1955年7月17日生まれ。1973年のデビュー以来、リリースしたアルバムは45枚に上り、1996年には「晚安曲」で台湾の音楽賞の最高峰であるゴールデン・メロディー・アワード(金曲奨)の最優秀ボーカルアルバム賞を獲得した。歌手だけでなく、司会者としても活躍し、テレビ番組賞、ゴールデン・ベル・アワード(金鐘奨)ではバラエティー番組司会者賞を3度、男性歌手役者賞を1度受賞している。

テレビ局のオーディションを機にデビューしたユーチン。デビュー当初の市場の反響はそれほど大きくなかったが、1979年に発表した愛国歌「国恩家慶」が地上波テレビ局3局で放送され、同曲は国民的楽曲としてお茶の間で親しまれた。続いて「中華民国頌」(1980年)や「変色的長城」(1981年)、「送你一把泥土」(同)などを相次いでリリース。当時の愛国歌ブームに乗じて知名度を一気に高め、一躍人気歌手になった。

ユーチンは民謡を得意とするほか、往年の歌謡曲のカバーなどでも多くのファンの心を打った。これらの固定の路線の楽曲だけでなく、ビン南語アルバムもリリース。2006年にはジェイ・チョウ(周杰倫)とのデュエット曲「遥か彼方」(千里之外)を発表するなど新境地を開拓し、若い世代をも魅了した。(ビン=門がまえに虫)

近年はコンサートを開くほか、中国のオーディション番組にゲスト出演し、イーソン・チャン(陳奕迅)の「十年」やヒビ(Hebe、田馥甄)の「小幸運」、アンジェラ・チャン(張韶涵)の「隠形的翅膀」など流行曲をユーチンならではの風格で歌い上げ、衰えぬ実力を示していた。

ユーチンは直筆のコメントを発表。「今日の費玉清があるのは皆のおかげ」と感謝を示した上で、「これまで長年、さらなる高みを目指すためにひたすら早足で前進し続け、その一方で周りの風景を楽しむのをなおざりにしてきました」と芸能人生における苦労を告白。両親が近年相次いで亡くなったことに触れ、「わたしは人生の帰る場所を失いました。両親の関心と分かち合いが無くなり、きらびやかなステージはわたしをより孤独にさせ、拍手もわたしの喪失感を埋めることはできません。どの公演の地に行っても悲しくなるだけです」と心境を明かし、「立ち止まらないといけない時なのです。立ち止まってこそ、人生をゆったりと味わうことを学ぶことができます」とつづった。

▽芸能界からは祝福の声

ユーチンの引退の知らせに、2015年に歌手を引退した江ケイは、マネージャーを通じ、「気持ちは完全に理解できます。両親の逝去は彼にとっては大きな打撃だったのでしょう」とし、ユーチンが自分の望む生活を送れることを願い、祝福を送った。(ケイ=草かんむりに惠)

ジェイ・チョウは「惜しいけれど、小哥(ユーチンの愛称)を祝福します。遥か彼方、歌いたい時にはいつでもスタンバイしています」とのコメントを発表した。

ユーチンは来年2月8日、9日に台北アリーナ(台北市)、5月11日に高雄アリーナ(高雄市)でコンサートを開催した後、5月18、19日に台北アリーナで再び公演を行う。

(江佩凌/編集:名切千絵)