「やさしい日本兵の神様」が子供たちの歌に/台南市

【観光】 2012/12/01 19:54
「やさしい日本兵の神様」が子供たちの歌に/台南市

(台南 1日 中央社)台湾南西部沿岸の台南市安南区海尾には戦時中、地元村民を守るために自分を犠牲にした日本人兵士を神として祭る「飛虎(ひこ)将軍廟」が建てられている。地元の安慶小学校ではこのほど、この日本兵の精神を郷土教育の一環として物語や歌にし、先月末、この神様の誕生日に発表会が行われた。台湾紙・聯合報が11月30日付けで伝えた。

太平洋戦争(1941~45年)当時、日本領だった台湾では各地で米軍機による空襲が頻発。1944(昭和19)年10月12日午前7時過ぎ、米軍機は海尾にも現れ、杉浦茂峰曹長が零戦でこれに応戦、だが上空で米軍の攻撃を受け零戦は大破した。

その時、杉浦曹長は落下傘で脱出することもできたのだが、戦闘機が集落に墜落して村人たちに被害が及ぶのを恐れ、そのまま畑と魚の養殖場まで操縦してから脱出を試みた。しかしそこで米軍の機銃掃射を浴びて地上に落下、戦死したという。

戦後この場所に亡霊が現れるとの噂から、海尾の住民が道教の神、保生大帝にお伺いをたてた結果、大惨事から村民を救おうとした杉浦曹長は将軍神(勇士)としてこの地に祭られることとなり、1971年道教式の廟が建てられ、以後村民による感謝の参拝は絶えたことがない。

そしてこのほど地元の安慶小学校では、黄俊傑校長が郷土教育の中でこの日本兵の「みんなを思いやる心」を児童らに学んでほしいと、教諭・児童らで絵と漫画、「飛虎将軍の物語」を作成し、さらに「安慶人のおてほん」を作詞・作曲、11月29日、飛虎将軍の誕生日(陰暦10月16日)に同校では一同がお廟の前に集まり、子供たちによる物語の朗読や歌が披露された。

この廟では現在、たばこ好きだった杉浦曹長のために管理人が朝夕7本のたばこに点火して神像と写真に捧げ、日本の国歌「君が代」や軍歌の「海ゆかば」を祝詞として歌っている。