台鉄整備工場の銭湯 日本統治時代からの歴史に幕

【観光】 2012/07/22 17:09 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
台鉄整備工場の銭湯  日本統治時代からの歴史に幕

(台北 22日 中央社)台湾鉄道の整備工場「台北機廠」内にある日本統治時代に造られた蒸気銭湯が、工場の移転に伴い年内で終了することが決まった。台湾紙「聯合報」が21日付け報じている。

この公衆浴場は、台北機廠を設計した台湾総督府鉄道部の速水和彦技師が日本式の銭湯を念頭に取り入れたもの。1935年の工場操業から使われ続けており、台北市の3級古跡に指定されている。直径5メートル、深さ1.25メートルの円形の浴槽が2つあり、ボイラーからの余剰蒸気で湯を沸かす仕組みだ。

家庭での入浴設備がまだ普及していなった時代、ひと仕事終えた後に広い湯船で疲れを癒せるこの蒸気銭湯は、工場職員にとって最高の“福利厚生”だった。昔は2000人ほどいた職員も現在では半分に減っているが、頼興隆工場長によると、今でも平日には毎日100人ほどが利用しているという。

築77年の工場には、現在の台湾ではほとんど見られなくなった大型公衆浴場以外にも、執務室や鍛冶場など昔の面影を残す貴重な歴史が詰まっている。工場は桃園県に移転するが、台鉄側はこの台北機廠を保存し、文化資産として活用したいと話している。